アニメツーリズムが再注目！ポストコロナの効果的なインバウンド戦略とは？

最近、観光地にコロナ前の賑わいが戻ってきたよね！

実は、2023年12月の訪日外国人数はコロナ禍以降最多を更新したんだよ！
2023年4月の水際措置撤廃以降、右肩上がりで急回復し、コロナ前に比べ、8割程度まで回復が進んだんだ。

国・地域別では、韓国、台湾、中国、香港、米国の順で多く、これらが全体の約70%を占めるんだ。

また、2023年の訪日外国人旅行消費額は総額で5兆2,923億円と推計されていて、コロナ前に比べ9.9%増の過去最高額を更新したんだ。

国・地域別では、台湾、中国、韓国、米国、香港の順で多く、こちらも、この5ヵ国・地域で全体の63.7％を占めているんだよ！僅差ではあるけど、台湾が1位で7,786億円の消費額があるんだよ。

観光庁によると、出発前に役に立った旅行情報源は「動画サイト」(35.5％)、「SNS」(33.4％)、「個人のブログ」(27.4％)の順で多いみたい。

他にも、役立った旅行情報源の言語では、「英語」（53.8%）「韓国語」（25.7%）「中国語（繁体字）」（24.9％）「中国語（簡体字）」（14.8％）「日本語」（14.3％）の順で多いことからも、多言語対応する必要がありそうだね。

そういえば、最近の旅行ではどんな場所を訪れたの？

いわゆる「アニメツーリズム」ってやつだ！

アニメや漫画の舞台となった土地や建物などを訪れる旅行のことだよ！「聖地巡礼」と呼ばれることも多いね。

日本のアニメや漫画は、今や国内だけでなく世界的にも注目され、海外にも多くのファンがいるんだ。
ポストコロナの今、世界中のファンからのニーズが高まり、アニメツーリズムが再注目されているんだよ。

観光庁によると、2023年7-9月に映画・アニメゆかりの地を訪問した訪日外国人は8.5％で、2023年7-9月の訪日外客数、約666万人で換算すると、3ヵ月の間に約56.6万人もの外国人が映画・アニメ聖地を訪れていると考えられるんだ。 コロナ前の2019年時点では4.6%だったことからも、アニメツーリズムの需要は着実に伸びていることが分かるね。

うんうん。さらに、日本滞在中にしたことの満足度調査では、日本食や伝統文化体験などメジャーな観光目的に次いで5番目に満足度が高かったんだ。映画・アニメ縁の地を訪問して「満足した」と回答した人はなんと95.4%もいたんだよ！

ちなみに、アニメツーリズム協会は毎年「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を発表しているんだけど、2023年版では投票数が過去最多の11万票を越え、海外票数も約3.3万票と過去最多を記録したんだ。国内外からすごく注目されているランキングなんだよ。
これまでは中国や台湾などアジア圏からの投票が多かったのに対し、2023年最も投票者数が多かった国はなんとアメリカだったんだ！コロナ禍で映像配信サービスを通じて、日本アニメを知ってもらう機会が増えたことで、アジア圏だけでなく世界中に日本アニメが広がっているよ。

次は、アニメツーリズムがどのような経済効果を与えるのかについて説明するね！

まずは、アニメツーリズムの先駆者、埼玉県久喜市の事例から。
久喜市はもともと観光名所と呼べるものがほとんどなく、関東最古といわれる「鷲宮神社」ですら、地元住民が参拝する程度だったんだ。しかし、2007年に放送開始したアニメ「らき☆すた」で、鷲宮神社をモデルにしたシーンが描かれたのをきっかけに、多くのファンが聖地・久喜市を訪れるようになり、翌年2008年には鷲宮神社の初詣参拝者数が放送前と比較して3倍以上の30万人を記録したんだよ。

日本政策投資銀行によると、この「らき☆すた」の経済効果は直接効果約20億円、波及効果約11億円、合計約31億円と試算しているよ。

次に、岐阜県の事例を紹介するよ。
岐阜県は「君の名は。」「聲の形」「ルドルフとイッパイアッテナ」といったアニメ映画の聖地となっているんだけど、この3作品合わせた岐阜県への聖地巡礼者は約103万人、消費額は約230億円だと言われているんだ！

十六総合研究所によると、この消費が岐阜県経済に与えた経済波及効果は、直接効果で約163億円、総合効果はなんとその1.55倍の253億円と言われているんだ！

最後に、内閣府が実施したモニターツアーの成果から、アニメツーリズムの効果的な情報発信について説明するよ。

内閣府は、アニメツーリズムの主な課題を、
● 「聖地」への集客から地域資源への誘客・地域における消費へ
● アニメ聖地と周辺観光地・権利者・自治体・地域産業・インフルエンサー等の広い連携
の2点であるとし、台湾、香港、中国、マレーシア、タイの5ヵ国からインフルエンサーやアニメファンを招いたアニメツーリズムのモニターツアーを実施したんだ。

そこでモニターツアーを行ったところ、海外インフルエンサーによる情報発信が効果的であるという実証結果が出たんだ。
アニメツーリズム協会の調査によると、インフルエンサーを活用しSNS投稿を行ったところ一般公募のツアーにおける応募者数が、週平均と比較してタイは123%、マレーシアは145%、香港は157%、中国は243%も増加したそうなんだ。

また、この実証結果からは、国ごとに情報が拡散しやすいSNSや情報発信の方法が異なることが明らかとなったんだ。例えば、中国ではWeiboなど動画の生配信によって若年層からの興味関心が寄せられていたのに対し、台湾では丁寧に作りこまれたブログ、タイ・香港・マレーシアではFacebookやInstagramによる写真・動画・テキストを簡潔にまとめた情報発信形態が好まれていたんだって。

インフルエンサーによる情報発信は観光情報だけじゃなく、町の作法やルール・マナー啓蒙の発信もできるから、アニメ聖地で起こりがちな周辺住民のクレーム抑制にも有効的みたい。

外国人旅行者が急増している今こそ、アニメツーリズムはアニメ聖地を持つ地域にとって重要な観光資源になり得るんじゃないかな。

うんうん！そういえば、仁くん、旅行のお土産って…？