「ひとりを楽しむ」マーケティング ー「ソロ活」が広げる新しい消費スタイル

この記事でわかること
ー「ソロ活」って何?
ーソロ活市場とその広がり
ーソロ活をターゲットにした企業事例
目次
1. ソロ活の定義と背景
2. ひとり時間を求める理由
3. ソロ活を意識した企業の取り組み3選
ー株式会社メリーチョコレートカムパニー
ー株式会社セブン&アイ・フードシステムズ【デニーズ】
ー株式会社JTB
5. まとめ:今後のソロ活市場
登場人物
仁くん
26歳、マーケティング担当をしている若手熱血ビジネスマン。
ちょっぴりどんくさいところがあるが、周りから好かれている。
美月さん
29歳、プロジェクトマネージャーで仁君の先輩。しっかり者で頼れる存在だが、方向音痴でオフィス内でもよく迷子になる一面も。紅茶好きで、午後にはお気に入りのマグカップを片手に現れる。
ソロ活の定義と背景

美月さん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど…
お疲れさま!どうしたの?


最近「ソロ活」って言葉をよく聞くんですけど、これって一人でカフェに行くとか、そういうことですよね?
そうだね!「ソロ活」とは、ひとりの時間を楽しむ活動のこと。以前は「ぼっち」や「おひとりさま」のような、ちょっとネガティブな印象の言葉も使われていたけど、最近では「ひとり時間」としてポジティブなイメージになってきたよね!


「ひとり時間」が注目されるようになったきっかけは何ですか?
デジタルの発展やコロナ禍の影響を受けて、ひとりで過ごす時間が自然と増えていったことが挙げられるよ。良い意味で「ひとりでも楽しめる」と気づいたことで、ソロ活の風潮が浸透していったんだ。


たしかに、周りでもソロキャンプや一人旅に行く人が増えた気がするなぁ。
ひとり時間を求める理由

でも、どうして今こんなに「ひとり時間」が支持されているんですか?


うーん…「他人に気を遣いたくない」とか「自由なスケジュールの中で動きたい」とか…?


なるほど…SNSから距離をとることで、他人と比べずに、自分自身のペースで時間を過ごすことができるんですね!
出典:https://www.cross-m.co.jp/report/20241212alone

実際、どのように過ごす人が多いんですか?


ひとり旅も主流になってきましたよね。旅行会社が「おひとり様専用プラン」などを出しているのも見て、ニーズが高まっていることを実感します。


数字にも出ているんですね!でもどうして?


たしかに…納得です。お金の価値観って本当に人それぞれですもんね。お金をかけたい部分と節約したい部分の考え方も違うから、合わせるのが大変な時もありますね。


気を遣わずにマイペースで楽しめるひとり旅の方が、気楽でストレスも少ないのかも。むしろ自分を大切にする手段とも言えますね。
時代に合ったスタイルかもしれないね!

出典:https://www.cross-m.co.jp/report/20241212alone
ソロ活を意識した企業の取り組み

ソロ活をターゲットにした企業事例はありますか?!
もちろん!早速いくつかの取り組みを紹介していくよ!

株式会社メリーチョコレートカムパニー
まずは、株式会社メリーチョコレートカムパニーの商品企画を紹介するよ。2021年にスタートした「JI-KO-CHU(ジコチュー)バレンタイン」という企画。バレンタインは、自分中心(ジコチュー)に思いっきり楽しみたい!チョコレートを食べ比べしたり、かわいいチョコレートをプレゼントしてサプライズしたり。わがままに楽しめて、自分をわくわくさせる「JI-KO-CHU(ジコチュー)」をコンセプトに商品ラインナップを展開したよ。背景には、義理チョコ文化がだんだん薄れてきて、自分用にチョコを買う人が増えてるという流れがあるんだけど、「誰かのため」じゃなくて「自分のために買う」ことを前向きに捉えた企画だよね。


なるほど…「ジコチュー」ってどういうこと?!って思ったけど、これも自分を楽しませるソロ活のひとつですね!たしかに最近、自分へのご褒美とか、推し活の一環でチョコを楽しんでいる方も多いですし、消費者のニーズやトレンドをうまく捉えていますね!
その通り!2023年には「推しと、私と、チョコレート。」っていうシリーズも展開していたよ。推しのメンバーカラーに合わせて選べるパッケージや、缶に貼れるシールが付いているなど、自分でカスタマイズできる楽しさが特長だったんだ。他にも、レトロなデザインや異国風なテイストの商品もあって、見た目も世界観も自分の「好き」を楽しめるようになっていたよ。


売上に変化はあったんですか?
うん!「JI-KO-CHU(ジコチュー)バレンタイン」シリーズは、2024年には2021年の1.5倍の売上を記録したんだって!


すごい効果ですね!贈り物としてのバレンタインだけではなく、自分の気持ちを満たす日として楽しむ考え方も広まっているんですね!以前は「ひとりバレンタイン」と聞くとちょっと寂しいイメージでしたが、今はむしろ「自分を大切にする日」として受け入れられているように感じます!
株式会社セブン&アイ・フードシステムズ【デニーズ】
次に紹介するのは、セブン&アイ・フードシステムズが展開しているファミリーレストラン「デニーズ」の事例だよ。2025年3月から5月までの期間限定で、「めざせ、ソロデニマスター」というキャンペーンが始まったんだ。まさに「ソロ活」に注目して、ひとりでの利用を前向きに楽しんでもらおうという取り組みだよ。具体的には、6つのソロシーンをイメージした「ソロデニさん」というキャラクターを通じて、「モーニング」「雨宿り」「仕事終わりの一杯」のように、利用シーンごとにおすすめメニューを提案したんだ。


面白いですね!たしかに、ひとり外食って、なんとなく気まずく感じる場面もあるけど、シーンごとに提案されると、むしろ「自分の時間を楽しむための場所」って感じですごく入りやすいです。キャラクターで表現しているのも、親しみが持てますね。
そうだね!メニューも、新商品ばかりじゃなくて、もともとある定番メニューを「このタイミングにぴったり!」という形で打ち出したんだ。これまでは新メニューやクーポンで来店を促していたけど、今回は「生活の中のある瞬間に。デニーズを思い出してもらえる存在になろう」というアプローチにシフトしているのがポイントなんだ。


あえて新商品に頼らないところが逆に新鮮ですね!自分のライフスタイルに合わせた提案をしてもらえると、利用のハードルも下がりますね。これまで意識していなかった楽しみ方を見つけられそう!
さらに期間中は、条件を満たすとオリジナルグッズが当たるキャンペーンもあったんだ。1000円以上の食事でアプリにスタンプがたまって、集めた数に応じて応募できる仕組みで、1400円以上のお会計で、その場でもらえるクリアファイルもあったんだよ。


来るたびにちょっとした楽しみがあるっていいですね!ひとり外食が、日常の中の楽しみになりつつありますね。そんな変化に合わせた取り組みとして、とても魅力的です。
株式会社JTB
最後に、株式会社JTBの取り組みについて紹介するよ。JTBでは一人旅専用のページを展開していて、温泉、グルメ、観光など、テーマごとに様々なソロ旅プランが紹介されているんだ。


それだけニーズがあるんですよね!
宿泊施設の中には「ひとり旅歓迎」って明記されているところもあって、最初からひとりでの利用を想定したプラン設計になっているんだ。


初めてひとり旅をする人でも安心して選べそうですね!
さらに、ひとりで過ごす時間の魅力や、自由なスケジュールの良さも提案されていて、「ひとりって贅沢かも!」と思えるような打ち出し方になってるよ。


ひとり旅って最初は少しハードルが高いけど、しっかりと選択肢が用意されていると、「自分のペースで楽しむ」っていう発想に変わってきますね!
そう!ソロ活が一時的なブームではなく、旅行の楽しみ方としても定着してきている証拠だね。

まとめ

美月さん、今日はありがとうございました!ソロ活に対するイメージも大きく変わりました!
それはよかった!これからもソロ活はマーケティングにおいて重要な要素になってくると思うから、注目していきたいね。


はい!僕もさっそくソロ活の予定を立ててみます!
いいね〜楽しんで!

出典元:株式会社クロス・マーケティング「おひとりさま消費に関する調査(2024年)ひとり時間の実態・意識編」https://www.cross-m.co.jp/report/20241212alone
出典元:AdverTimes. 「『おひとり様3.0』楽天インサイトが生活意識に関する3年間の比較レポート発表」https://www.advertimes.com/20250418/article495558/?utm_source=feed
出典元:MarkeZine「『ひとり行動』『好きの深掘り消費』が増加!メリーチョコレートと博報堂生活総研が見据える、消費者の姿」https://markezine.jp/article/detail/46999?p=2
出典元:AdverTimes. 「デニーズが「ソロ活」に着目 6つのシーンでメニュー提案」https://www.advertimes.com/20250228/article490968/?utm_source=feed
出典元:株式会社JTB「自由気ままに一人旅(ひとり旅)」https://www.jtb.co.jp/kokunai/theme/hitoritabi/
◆統合マーケティングを起点とした事業進化パートナー「CARTA ZERO」
CARTA ZEROは、マーケティングを軸に、戦略設計・クリエイティブ・メディア・プロダクトを組み合わせ、課題解決と成長支援を行っています。変化を受け止め、未来を拓く進化のパートナーとして、多様なクライアントとともに挑戦を続けています。
お問い合わせフォーム :https://www.cartazero.co.jp/ja/contact
おすすめコンテンツ