人材業種必見:求職者との距離を縮めるLINE公式アカウント活用法
人材業界の今は「売り手市場」と言われるように、厳しい採用環境になっています。企業が採用活動を成功させるには求職者にとって簡単な接点を持ち、パーソナライズされた情報の発信が重要です。
前回の記事では、そのような状況下で採用活動のコミュニケーションのカギを握るのが「LINE公式アカウント」の活用であることをお伝えしました。
*前回記事:これからの人材採用:採用活動成功のカギとなるコミュニケーションチャネルは?
本記事では、LINE公式アカウントの概要から人材業界におけるLINE公式アカウントの効果的な活用法まで、具体的なイメージを交えてご紹介します。
監修
浦野莉奈
株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI)
LINEコンサルタント
2019年 CCIに入社。LINE公式アカウントのAPIツール「KNOTBOX」を活用したプランナーとして人材業界を初めとした、様々な企業へLINE公式アカウントを活用した提案・コンサルティングを担当。
LINE公式アカウントとは?LINEでできることを紹介
活用事例の前に、改めてLINE公式アカウントの基礎情報を頭に入れておきましょう。
LINE公式アカウントとは「LINE」のトークルームから、企業のアカウントの友だちになったユーザーに対して、メッセージを届けることができるビジネス用のアカウントです。
▼弊社サービスのLINE公式アカウント画面
LINE公式アカウントは他SNSと比較して、圧倒的な利用者数によりあらゆる属性にアプローチ可能であるのが強みです。
▼【令和5年度】主なソーシャルメディア系サービス_アプリ等の利用率(全年代_年代別)
※(図)引用・出典:総務省|令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 概要」第5章5-1 主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率.2024-6-21(引用.2025-1-09)
また、マーケティングファネルにおいては認知・検討促進から購入促進、CRMまで一気通貫で対応できます。
特にSNSの中では「CRM」として使える点が特徴ですが、求職者とのパーソナライズな情報のやり取りが必要な採用活動において、このCRMの部分は重要なポイントとなります。
「応募者数増加」「内定承諾者数増加」とした場合のLINE活用例
LINE公式アカウントでできることは多岐に渡るため、ここではKPIを「応募者数増加」、KGIを「内定承諾者数増加」とした場合の活用イメージをご紹介します。
- 応募者増加のアプローチ
まず応募者アプローチには「ネイティブアプリ・広告・公式WEBサイト」などの外部チャネルが考えられますが、それらをLINEと連携することでチャネルをまたいだデータの有効活用ができます。
- 内定承諾者増加のアプローチ
内定者が出たら、アフターケアを行い内定辞退を防ぐことが重要です。
この対策にはLINEのチャット機能を活用した個別の連絡が有効です。
さらに、各チャネル(導線)に合わせた目的設定と手法を整理し一覧化した例がこちらです。
応募者・内定者施策①〜⑤までの具体的な施策・活用イメージをそれぞれお伝えしていきます。
- 応募者数増加
- 施策①:公式サイト|公式サイトからの誘導
- 施策②:LINE公式アカウント|LINE公式アカウントでのナーチャリング
- 施策③:ネイティブアプリ|ネイティブアプリへの誘導
- 施策④:LINE広告でのデータ活用
- 内定承諾者増加
- 施策⑤:内定後のアフターケア
応募者数増加
[応募者数増加 施策①]公式サイトからの誘導
応募者を募るために、公式(自社)サイトに求人を出している企業は多いはず。公式サイトにまで来訪する「興味関心が高まった状態の人」を取り逃さないようにしましょう。
この図のように公式サイト上に友だち追加ポップアップを掲載することで、サイトに訪れたユーザーをLINE公式アカウントに誘導することができます。
LINE公式アカウントへ誘導後、ナーチャリングすることで通常なら離脱していたであろうユーザーを囲い込み、求人応募へ繋げることが可能です。
[応募者数増加 施策②]LINE公式アカウントでのナーチャリング
次に、友だち追加後のナーチャリング例です。
友だち追加後、応募を促すためのナーチャリングはとても重要です。友だち追加直後は「求人応募に対して興味関心が高まっているタイミング」や「LINE公式アカウントに対して期待しているタイミング」と考えられるため、次のような機能を活用してユーザー個人に合ったナーチャリングを行いましょう。
▼求人サイト運営企業のLINE活用の一例
・ステップ配信の機能
友だち追加後、1日後〜最大30日まで日にわたった配信内容をあらかじめセットできます。
図のように友だち追加1日目は「早速お仕事を探してみませんか?」とお仕事捜しアクション喚起のメッセージを配信し、2日目以降は仕事探しに対する懸念解消のための追加情報を自動で送付。段階に合わせて上手く活用すれば、顧客のモチベーションを自動でステップアップさせていくことができます。
・アンケート結果に応じた配信
アンケートを配信し、回答内容に応じた情報を今後の配信に活用することができます。
図のようにアンケートで「どのエリアでお仕事を探していますか?」に対して「関東」と答えたユーザーには関東エリアで今人気の求人情報を提供することができます。ユーザーに最適化された情報提供により、求人への応募ハードルを下げていきます。
・お仕事診断
まだ関心の浅いユーザーには「〇〇診断」のようなライトなコンテンツが有効です。
図のように、メッセージでいくつか質問をしたあとに「あなたはコミュニケーション活発タイプ」という結果を返し、おすすめのお仕事を紹介して仕事探しを喚起します。
[応募者数増加 施策③]ネイティブアプリへの誘導
ネイティブアプリ上でより詳細な情報や豊富な求人情報を掲載している場合は、アプリに登録することのメリットも併せて提示することで、自然な誘導に繋げることができます。
LINE公式アカウント内で既にナーチャリングした状態で誘導を行えるため、アプリ経由の求人応募率の向上が期待できます。
具体的な誘導例としては、上の図のように
- アプリの登録ステータス別に文言を変えてリッチメニューを出し分ける
- メッセージ配信でメリットを訴求する
などがあります。
また、LINE公式アカウントのUID(ユーザー識別子)と会員IDを連携させることができるため、会員データとして取得した情報を配信に活用することも可能です。
例えば、アプリ内で「特定の求人をお気に入りにした」といった行動があった人に「この求人のクローズまであと〇日!」のようなメッセージを発信することができます。
[応募者数増加 施策④]LINE広告でのデータ活用
データ基盤としても活用可能なLINE公式アカウントは、LINE公式アカウント上で取得したデータを基に、LINE広告の配信に活用することができます。
また、2024年からはYahoo!JAPANデータもLINE広告やLINE公式アカウントへの利用が開始され、検索行動データやYahoo!サービス経由の取得データ等のより幅広いデータを活用できるようになりました。
例えば、具体的な例として
- LINEのメッセージをクリックした人に対して広告でリターゲティングし、公式サイトの応募ページに流入させる
- 「アンケートで〇〇と回答した」等の応募見込みの高い人のデータと類似した人へ広告配信し、新規ユーザー獲得をする
などが考えられます。
このようにサイトへの流入や、応募数の増加等の目的に応じた広告設計と横断的なデータ活用を掛け合わせることで、リーチや質を高めることが期待できます。
内定承諾者増加
[内定承諾者増加 施策⑤]内定後のアフターケア
内定後、約4割が内定辞退をしてしまう傾向にあるためいかに内定後の密なコミュニケーションを行うかが重要ですが、LINE機能を使えばチャット形式で個別コミュニケーションが可能です。
内定者が抱く入社に対する不安や不明点など、メールで改まって聞きにくいような懸念事項でも、身近なLINEを使うことで相談の心理的ハードルを下げ、企業がフォローアップができます。このように内定者と個別に丁寧なコミュニケーションを行っていくことで、内定承諾率への向上も期待できます。
これまで、応募者/内定承諾者の増加施策の例をお伝えしてきましたが、これらのLINE施策を事例を含めまとめた資料をこちらよりダウンロード頂けます。ご興味をお持ちの方は是非ダウンロードしてください。
まとめ
人材業界の採用活動において、個々に合わせた情報発信を行い丁寧にコミュニケーションを行っていく事は、求職者との距離を縮める重要なカギとなります。
また、LINE公式アカウントは、1 to 1コミュニケーションで求職者エンゲージメントを深めるための強力なツールです。
CCIでは、LINE公式アカウントの開設から各チャネル連携、KPIに合わせた施策のご提案、配信内容の企画、設定、レポーティングまで一気通貫で対応しております。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
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