熱量の高いポジティブファンにアプローチ! 未来行動も捕捉できる「ぴあ」のチケット購買データを活用したMetaプロモーションの実力とは?
「推し活」というカルチャーが広く浸透した近年。企業でもこのトレンドを活用しようと各種のプロモーションが積極的に実施され、WEBマーケティングにおいても様々な施策が試みられています。
そんな中、ぴあ朝日ネクストスコープ(以下PANX)とCARTA COMMUNICATIONS(以下CCI)では、「チケット購買ターゲット配信&著名人SNSプロモーションプラン」をリリース。これは、チケット購買・購買プロセスデータを活用した広告配信をFacebookやInstagramで展開できる広告配信サービスです。
ぴあと朝日新聞社のジョイントベンチャーであるPANXの特長を活かした本サービスの詳細について、PANXの杉本朋之氏とCCIの喜屋武水樹に聞きました。
●この記事は次のような企業のWEBマーケターにおすすめです。
- 交通・観光業界
- ホテル・レジャー業界
- 地方自治体
- スポーツ業界やそのスポンサー企業
- エンターテインメント業界
- エンタメ著名人をプロモーションに起用している企業
- 上記企業を担当する広告代理店
担当者紹介
杉本 朋之
ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社(PANX)
ビジネスプロデュースディビジョン リーダー
2008年に朝日新聞社に入社後、広告部門にて主にエンタメ業界の営業を担当。新規事業創出などを手掛ける「メディアラボ」や「経営企画室」の兼務を経て、2017年からデジタル広告を担当。2023年からぴあ朝日ネクストスコープ株式会社へ出向し、現職。
喜屋武 水樹
株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI)
第1メディアビジネス・ディビジョン ソーシャルメディアマーケティング局 Meta部
2022年CCIに入社後、Meta広告のプランニングから運用まで一貫して担当。認知獲得からコンバージョンまでファネルに合わせた豊富なMeta広告メニューの運用全般の経験を持ち、直近はデータを使ったMeta広告のプロダクト開発など新規ソリューションの企画、開発も行う。
PANXが扱うチケット購買データのストロングポイントとは?
ーー今回リリースされたサービスについて伺うにあたり、まずはPANXの事業内容など、企業の特長を教えてください。
杉本氏(PANX):
弊社はもともと、チケット販売事業やメディア事業を行う「ぴあ株式会社」のデータマーケティング部門がカーブアウトし、そこに朝日新聞社が出資して2022年に誕生しました。
事業内容は大きく2つあります。オープンウェブ上のメディア広告枠や、各種プラットフォームの広告枠にぴあと朝日新聞社の保有データを活用するデジタルマーケティング事業が一つ、もう一つはぴあや朝日新聞社のメディア事業を通して培った制作力や著名人ネットワークを活用するクリエイティブ事業となっています。
最も大きな特長としてあげられるのは、ぴあや朝日新聞社の保有するデータ、なかでもぴあのチケット購買・購買プロセスデータを広告配信に活用できるという点でしょう。ぴあの年間チケット販売枚数はおよそ8000万枚。その購入者というのは、購入したチケットの興味・関心ジャンルに対してポジティブに反応する熱量の高いファンです。このポジティブファンデータを与件に合わせてセグメント、ターゲティングして広告パフォーマンスを最大化できるように、社内の商品開発部門と連携して日々努めています。
チケット販売データをマーケティング活用している企業は他にもありますが、専門特化して事業展開しているのは我々だけです。この領域に特化して様々なパートナー企業とも協働することで成果が出始めており、11月末には“eコマーステクノロジー”を展開するRokt社から最優秀パートナー賞をいただくことができました。そうそうたるリテールメディア関連企業の中から最優秀に選ばれたことは、競争優位性や戦略の方向性に対する自信につながりました。
参考記事:「Roktが国内パートナーを表彰する「Rokt Ecommerce Partner of the Year Awards 2024」の受賞企業を発表。」
もたらされるメリットは多種多様…使い方次第で広がるポテンシャル
ーーそうしたデータを活用することで、どのようなプロモーション効果が期待できるのでしょうか。
杉本氏(PANX):
先ほど述べたように、興味・
別商品のDSPのケースになりますが、オリックス・バファローズ様が実施している女性ファン向けイベント「オリ姫デー」の広告配信でご参考いただける事例があります。「オリ姫デー」では、その年のテーマである「アイドル」に合わせ、選出されたトップ11人の選手がアイドル姿に変身するキャンペーンを展開。その告知として従来の野球関心層ではなく、「男性アイドル」「K-POP」「推し活女子」などのセグメントで広告配信したところ、これまで接点のなかった20代女性のファンクラブ入会者数を大幅に伸ばすことに成功したこともあります。
参考記事:【企業事例/オリックス・バファローズ様 対談】『Bsオリ姫デー2023』新規顧客獲得に必要な3つの要素とは
さらにもうひとつ、「未来の行動を捕捉できる」という特長があります。たとえば「イベント・ライブ開催地セグメント」。これは、イベントやライブのチケット購入者について、居住地と開催地の距離で「日帰り圏」「宿泊圏」に分けてターゲティングするというものです。チケットを購入しているということは、ライブ・イベントが開催されるその日その時間には、確実に開催地域にいるということなので、日帰りなのか、宿泊なのかでターゲットの行動を予測できるため、宿泊施設や自治体、旅行会社などが周辺情報を発信するのに有効となります。
未来を捕捉する広告ソリューションは他社も提供していますが、弊社の優位性は、その“未来”がライブやイベント参加というポジティブな「ハレの日」に限定されているという点だと思います。たとえば、ある特定の日時に特定の場所を訪れることが予測できていたとしても、その目的がビジネスであるターゲットには、周辺の娯楽施設や寄り道スポットの情報を発信しても刺さりにくく、行動喚起にはつながりにくいですよね。
ーーなるほど。では、もう一つのクリエイティブ事業の強みを活かした著名人アサインについても教えてください。
杉本氏(PANX):
こちらはぴあメディア編集部の力も借りて、メディア運営を通して関係性のある著名人を中心にアサインの代行を行うというものです。これまでに、音楽アーティストやアイドル、映画監督、漫画家など幅広いジャンルの著名人の方々で実績があります。
PANXのデータ×CCIの運用力で切り拓くMeta広告の新たな可能性
ーーオリジナリティの強いデータなど、PANXのアセットが持つポテンシャルについて教えていただきましたが、では、これらを活用したCCIとの今回のコラボサービスは、どのようなものになるのでしょうか。
杉本氏(PANX):
ここまで述べてきたような品質の高いぴあの保有データを、CCIの運用力と掛け合わせながらFacebook/Instagram広告を配信していくというのが、今回の「ベースプラン」です。「オプションプラン」として、前述のぴあメディア編集部の力を借りた著名人のアサイン代行に加え、その著名人のアカウントやクライアントの自社アカウントでオーガニック投稿を行い、ぴあ保有のデータを活用して広告配信を行うといったスキームも用意しました。著名人アカウントの投稿クリエイティブ内容についてはぴあメディア編集部とも連携しつつ、CCIさんのアドバイスもいただければと考えています。
喜屋武(CCI):
CCIでは、2014年から累計1,300社以上のデジタルマーケティングを支援してきた経験と運用データに基づく豊富なMeta広告運用のナレッジを蓄積しており、運用対応はFacebook認定資格保持者が行っています。
また、社内のデータ領域専門チームであるData Digが、ぴあの保有データを最大限Meta広告に活かせる環境を用意したり、SNSのオーガニック領域専門チームであるCCI Social AdTrimが、広告だけでないSNSコミュニケーション全般の豊富な知見を提供したりと、各種のサポート体制も整備されています。
これらの社内アセットを活かすことで、品質の高いぴあの保有データをより効果的に広告主の売上に繋げるための戦略立案~実行、レポーティングの部分でお力になれると思います。
たとえば、自社の商品のプロモーションで「20~30代女性に人気なアーティストを使ってSNSで認知を獲得したい」というご要望があった場合、PANXのアセットとCCIの知見から、ご要望にあったアーティストと作成するオーガニック投稿や広告のプランをご提案、その後の施策の実行まで、ワンストップでお任せいただけます。
杉本氏(PANX):
個人的は話にはなりますが、朝日新聞社でデジタル広告担当時代に、某外資系メーカーの広告案件でCCIさんとお仕事させていただいたご縁もありました。その時同様に、営業力・運用力への期待はもちろんですが、Facebook/Instagramへの知見・実績をもとにした運用パフォーマンス面でも率直なご意見をいただき、よりクライアントに評価される商品にブラッシュアップさせていきたいですね。
XやLINEにおいては、目標KPIと比べてインストール単価やCTRともに高い数値で運用できたうえ、さらにその先の目標継続率単価も良いという点で高くご評価いただいている実績も生まれてきています。CCIさんとは、Facebook/Instagramでもご愛顧いただけるクライアントを一社でも多く増やしていけるよう努めていきたいと考えています。
喜屋武(CCI):
すでにPoCでの導入は始まっています。某スポーツ団体のイベントチケットの販促では、UU数を担保するためにぴあの保有データにMetaの類似拡張機能を使用して配信したところ、同時期に配信していたMeta純正のターゲティング機能を使ったキャンペーンと比較して、CVRでは約2倍高く、CPAでも約3%安価に運用することができました。
こういった獲得目的のキャンペーンだけでなく、認知目的のキャンペーンとも相性が良いと思うので、イベントを開催している企業や観光系の企業、またアーティストなどの著名人を広告に起用している企業には積極的におすすめしています。
ーー両社の強みを活かしつつ、クライアントの大切な与件の成果に繋がる案件が拡大していくことに期待しています。本日はありがとうございました。
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